ルートＮの下調べ
下見その１
たまこ宴会オフで飲み過ぎたのがたたって、やや重い頭で１０時頃にやっと起き、やおら強い北西の風が残る街へとこぎだした。いくら頭が痛くても、こんないい天気にのんびり横になっておられるものか。きょうは３週間後に迫った浦和から新潟までの長距離ツーリング、浮m中年隊の斥候役として埼玉県下のルートの下見を行うつもりだった。走りやすい道を迷わずに選ぶために責任は重大である。
まずは、自宅から浦和市内までの道を確かめる。そういえば、浦和の街中を走ったことがなかったのに気づいた。しかし成増からは意外に近い。距離にして１０Ｋｍちょっとである。荒川を渡ってやや交通量の多い道を行かねばならぬが、二日酔いの中年隊を引っ張って行くとしても、３０分あれば充分であろうと考えた。本番の日は朝早いはずだから気になる車の量もそれほどではなかろう。
埼玉県庁前から北へ向かい、浦和の中心街を抜けてまずは岩槻市をめざす。途中、通ったことのあるような道にぶつかる。そうだ、これは見沼サイクリングロードが交差する道じゃないか。加須うどんオフの帰りに長老さんとHisさんとで高速走行をやった道である。交通量がいやになるくらい多ければ、自転車専用道の活用も考えられるけれど、この道はそうでもないようだ。
ここまでは順調だったのだが、地図を持ってこなかった私は、どこかで道を間違うことになっている。岩槻市の手前で早くも１６号線に迷い込み、暑いのも災いしてルートＮの下見を放棄することに。その後は道なりに菖蒲から加須までいって、パチンコ屋でトイレタイム。引き返すときに見つけた「水と緑のふれあいロード」という快適な自転車道をしばらく走り、あとは、追い風で国道を高速走行。 しかし、大宮市内で突然左折した軽トラックと接触。幸い、かすり傷程度ですんだものの、ひやりとした一瞬だった。運転手は平身低頭、いくら急いでいてもウィンカーをあげるかあげないかのタイミングで左折しちゃだめだよね。
浦和市内に別所沼公園という涼しい場所をみつけた。殺風景な街並がつづくこの界隈では一番のオアシスかもしれない。まあ、浮mの下見としては、成増から浦和を経由して岩槻市へ向かう道までは 案内できることになった。安心して我が家へ泊られよ、と参加予定者に呼びかける自信がついたのである。
下見その２
１週間後、中途半端に終わった前回の下見に続いて、猛暑の中でどの程度疲労するかも含めて、長距離の下見を行った。本番の出発予定時間５時には遅れてしまったけれど、早起きして、５時半には家を出ることができた。２週間後の本番を前にだんだんと気合が入ってくるようである。
しかし、昨日からの猛暑で早朝というのに、もう暑い。車は少なく気を使うことはあまりないが、とにかく汗をかく。浦和の県庁手前のコンビニにて、ボトル１本分の少し甘みのある水を補給する。しかし、たちまち半分ほどを飲み尽くす。
ここでサングラスを忘れたことに気づく。しかし、取りに帰る気はしない。なんとかなるだろう。目は小さい方だから、ゴミが入る確率は小さい、といいように考える。前回間違った岩槻市の手前の道もクリア。岩槻市内から春日部に向かう途中で幸手市へ向かう県道に乗り換える。幸手駅がちょうど４０Ｋｍ。１時間半ほどである。
ここから、古河、小山へ向かう４号線は、春日部パンターニさんが書いていたように路面が荒れている。ロードの細いタイヤだと、溝にハンドルを取られそう。車は少ないのでできるだけ、内よりを走るのが賢明である。
さて、水分補給は、頻繁になってくる。幸手駅でも、小山駅でもぐびぐびと冷たいものをとにかく入れる。温度を下げたいのでかき氷も食べる。少し、腹がちゃぽちゃぽぎみとなる。だんだんバテてきた。しかし、まだ風は味方して緩やかな追い風。
小山から先は国道を避けて栃木市へ向かう県道を利用する。そこから、鹿沼市を経て今市までをとりあえず走るのだ。栃木市は蔵の街とかいって、とにかく観光に力をいれているようだが、きょうは素通りである。途中、思川（おもいがわ）という水のたいへんきれいな川をわたる。日光から流れ出る渡良瀬川水系であろうか。
水分補給のための休憩が３０分間隔のようになってきて、ペースが上がらない。固形物も腹の中に入れたいが、水分を先に入れてしまうので、収まる場所がない。それで思案して、鹿沼市のスーパーではすいかを３切れむさぼるように腹に収める。少しパワー復活と思いきや、今市までの長い杉並木の道が意外とこたえるのである。
軽い登り傾斜、向かい風、荒い路面、道の狭さでなかなか体力を消耗する。熱がこもってオーバーヒートぎみ。たまらず、自動販売機で１リットル近くもスポーツドリンクを腹に流し込む。しかし、のんだそばから汗になって吹出す。
今市に到着したのは１２時。家を出て６時間半もかかってしまった。距離は１２５Ｋｍ。やっと本番の半分なのである。それで、後半の１２０Ｋｍは、登り坂なのだから、ちょっとばかり不安となる。その不安は実際、本番で現実のものとなるのだがまだこの時点では神ならぬ身には分かるはずがなかった。
さて、当日は都議選の投票日ゆえ、はやばやと輪行で帰ることにした。夕方６時までには投票できるだろう。いくら疲れていてもすることはしなくてはね。しかし、本番の走りは、暑さ対策、水分の補給を考えないと、とんでもないことになりそう。これじゃ、雨のほうがまだいいかなぁ。自信無くなったな、真夏の２４０Ｋｍ・・・。
