感涙保証、私の愛聴盤 その３６
Songs For A Raney Day/Sue Raney
Raney Day ってタイトルだけどアルバムの内容からこれは Rainy Day のことであると思う。日本的なだじゃれに直すと”日野亜未”が歌う”雨の日”ってところだろうか。でもちょっと苦しいな。しかし、そんなだじゃれ企画は意外と少ないのだ。Doris Day の Day By Day とか Day And Night くらいしか思いつかない。
このダジャレ企画のできは思いのほか素晴らしい。針を落とすといきなり雷鳴、そして強い雨音。ここでジャケットを見ると部屋の中から外をうかがう若い娘。この雨音を聴きながら彼の到着を待っているのか、はたまた過ぎ去った人生に思いを馳せているのだろうか・・・。
ジャケットのトーンが水色である。Capitol ってレーベルは野暮ったいところもあるのだけど、ときどきはこんな粋な物を作るから全部集めたくなるのも分からないではない。
ところで肝心の音楽を紹介していなかった。アルバムのタイトルどおり、全編、雨がテーマであると思ったらちょいと違う。Ａ面の最初と最後。Ｂ面の最初と最後に雨の歌を配置しているだけである。間にはさまれた曲は予想に反して明るい曲調のものが多い。しかしこのアルバム最後を飾る September In The Rain は出色のできであろう。June Christy のあの名唱とまではいかないけれども、当時１９歳の Sue Raney が記録できた最良の歌唱だと思っているのである。
