感涙保証、私の愛聴盤 その２２

Smokin' At The Half Note

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　Wynton Kelly というピアニストは1959年から１年ほど Miles Davis とも共演したことがある。Miles グループのピアノ弾きで有名なのは Red Garland とか Bill Evans だろう。どちらかというとリリカルな哀愁をたたえたピアニストである。Miles のクールな演奏にはそんなタイプのピアニストでないと勤まりそうもない。

　Wynton Kelly は Red Garland と Bill Evans の間につなぎとして Miles のグループに加わったものの、ほんの１年ばかりで辞めている。それもそのはず根っからの性格の明るさが Miles の演奏には合わなかったからだろう。

　この演奏は、Miles のコンボで一緒にやっていた Paul Chambers(b)、Jimmy Cobb(ds) で構成するトリオにゲストとして Wes Montgomery(g) が参加している。Miles の元を離れて５年ほど経った頃の演奏で、Ａ面が Half Note というジャズクラブでのライブ録音である。

　演奏は無茶苦茶楽しい。私はまだレコードが買えなかった就職したての頃、このＡ面の曲をＮＨＫ−ＦＭから録音しテープで何度も何度も聞いたものである。レコード漁りをするようになってからしばらくは、まずこれらのテープで聞いた馴染みの曲が入ったレコードを探し回ったものだ。

　65年、アメリカではすでにロックンロールの存在が大きくなり、ジャズがだんだん斜陽になっていく時代であるが、まだこんな珠玉の演奏が残っていたのである。

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