感涙保証、私の愛聴盤 その１７

Full House/Wes Montgomery

Wes Montgomery 　ギター奏者数ある中でも Wes Montgomery ほど楽しいギターはない。とにかくスイングしっぱなしなのである。ギターの音色はオクターブ奏法という独特のもの。一度聴いたら Wes の音は間違えようがない。この奏法を真似する人はいるけれど Wes をこえるテクニシャンはいまだ出現していない。

　そんな天才肌の Wes だが、物の本によると譜面が読めなかったという噂である。しかし耳がいい人は一度聴いた曲は頭の中に楽譜が出来てしまうのだからどうでもいい技能である。ジャズ畑には譜面が読めなかったという名演奏者はたくさんいて紹介するのに困るほどであるが、家が貧しく独学で腕を磨いた人が多いことが背景のひとつにある。そこがクラシック界との大きな違いだ。その生活感覚の違いが音楽の価値観の差となってクラシックファンとジャズファンを分けているように思う。

　このアルバムはテクニックよりも Wes の天性のスイング感を味合うためには絶好の一枚である。共演者がまたすばらしく、テナーの Johnny Griffin がここで一世一代のすごいソロをバリバリ吹きまくっているのが天晴れである。そして時の Miles Davis Quintet のリズムセクションであった Wynton Kelly のピアノと Paul Chambers のベースに Jimmy Cobb のドラムスの軽快さ。いや〜、それにしても昔のライブハウスってこんなに楽しかったのだな・・・。

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