感涙保証、私の愛聴盤 その１９

A Night At Birdland Vol.1/Art Blakey

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　Art Blakey は日本でも有名になった数少ないジャズミュージシャンである。豪快なドラム演奏と大口開けた表情が受けたせいもあるが、なによりモーニンというヒット曲でジャズを知らない人をも引きつけた。タンタ タタタタ、モーニン・・・。お聞きになったことはあるだろうか。

　このアルバムはその Art Blakey が率いるクインテットのライブ演奏である。場所はニューヨーク、バードランド。ピアノが Horace Silver、アルトサックスが Lou Donaldson、ベースが Curly Russell、そしてトランペットはあの若き天才、Clifford Brown なのである。

　Clifford Brown はここでも A Night In Tunisia という曲を演奏している。あの死ぬ直前の録音でも聞かれた演奏だが、時期的には２年ほど前、メンバーも違うのでまったく違う雰囲気である。

　このアルバムには演奏のほかにもうひとつ楽しみがある。それはこのバードランドというライブハウスの名物司会者の肉声が聞けることである。名前をピーウィー・マーケットという。声を聞いてもらったら分かるのだが、大人の男性にもかかわらず女性のような妙な声である。米国の「白木みのる」という形容だったら納得される人も多いだろうか・・・。

　いずれにせよ、モダンジャズが最盛期を迎えようとする１９５４年当時のホットスポットの雰囲気がよく伝わってくるアルバムである。

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