感涙保証、私の愛聴盤 その１８
Cannonball Adderley Quintet in San Francisco
この二人よく似ている。兄弟である。ただ身体は圧倒的に左側の兄、Julian のほうがでかい。あだなも Cannonball である。座っているのは弟の Nat だ。
Jazz の世界では兄弟 Player は多い。音楽家、演奏家に育っていく素質、環境が同じようなものだから自然とそうなるらしい。
ただ兄弟ともに一流という組合せは稀である。例外は古いところでは Jimmy と Tommy の Dorsey 兄弟くらい。しかしこれは仲が悪かったらしい。
モダンジャズの世界では長兄 Hank、次男 Thad、三男 Elvin の Jones 三兄弟が有名だ。三人とも一流のプレーヤーという珍しい例だ。
この Cannonball と Nat もともに有名だが、Miles Davis との共演もあった Cannonball の格が上である。しかし、弟の Nat は兄にない作曲の才能もあった。
いまでもよく演奏される Work Song は彼のヒット曲である。そして、Cannonball が早死にしたのに対し、Nat は兄の死後も長く演奏活動を続けていた。しかし演奏家としては Cannonball が歴史に残る名演を残している。これは彼の火の出るようなアドリブに短くパッと散っていった彼の人生がダブってしまうアルバムである。
