中古レコードはぶっきらぼう（その６）
全国的にこの手の店が開くのは１１時以降である。なぜか？
それは、第一義的には交代勤務なしに夜８時すぎまで店を開けておくための方途 であろう、と考えた。でも従業員のいない個人経営の店でもあまり開店している 時間帯は変らない。だから、この種の商売は早朝に開けても、あるいは深夜まで 開けていても、あまり商売にはならぬというのが真相であろう。
しかし、夜開いてなければサラリーマンは寄れないのだ。いまの時間帯は、よっ ぽど順調に勤務を終えた人しかいけない時間帯である。せめて、ほろよい加減で 帰る途中に開いていればなあ、と思ったりする。酔っ払いなら気持ちが大きくな って、高い盤がほいほいと買えそうな気がするのだけど．．．。
たまにはコンビニと同じように２４時間開いているような中古レコード店があっ てもいいではないか、と勝手な注文をしているわがままな人間がここにいる。
アルバム名：Mel Torme Musicraft Years 1945-1947(日本コロンビア HR-135-EV 原盤：Musicraft)
購入価格：１０００円 店：ディスクユニオン新宿（Ｊａｚｚ）
動機：Musicraft の Mel Torme は Artie Shaw と Mel-Tonesとの共演盤ですば らしい録音を残している。その演奏はいつもテープに入れて聞いていたから耳タコ ものだけど、これは、その時代のＳＰから集められた日本編集のコンピレーション 盤である。直前に足を運んだ店では２２００円の値札がついていたけれど、ここは 半額以下。もうけたと一瞬思ったが．．．。
聞いた感じ：ど〜も、ぴりっとしない。メル・トーメの声は確かに甘く、彼の声 に間違いないのだけど、全然スウィング感がないのだよね。また、ベツレヘム盤の It's A Blue World のような統一感もなくて、印象の薄いアルバムだね、これは。よっぽどのト ーメおたくでなければ、大金を出して購入しても損な感じが残るんではないかな。
