中古レコードはぶっきらぼう(その27)
通勤ルートを変えたせいで、帰りに中古屋を覗く機会がめっきり少なくなった。つい この間まで、1週間に1度は足を運ばずにはおれなかったのだけれど、人の多いところ を避けようとする気持ちの方が中古レコードの魅力を上回っている結果であって、新し いレコードが増えない状態が続いている。
景気の悪さも手伝って、しばらくは中古レコード屋も暇になるだろう、そうなると、 潰れるところもでてくるんじゃないか、などと考えると、とたんに有り難みが湧いてき て、少しは景気回復のお手伝いでもしなければなるまいと、珍しく足を渋谷方面に向け た私である。
しかし、レコファンからはすっかり新着盤の追加がなくなっていた。一時期、次々に 出ていた米国買い付けの在庫も底をついたようで、面白みが失せている。ディスクユニ オンにも欲しいものが見当たらない。いくら景気回復のためとはいっても、リタ・ライ スのオランダ盤、28000円を買おうという気はちょっと起きないからね。
したがってきょうは収穫なし。だけどせっかく渋谷に回ったのだから、手ぶらで帰る のも不粋だという気がして、フランスパンを買う。次、中古屋をめぐる気になるのはい つになるのだろう...。
アルバム名:Love Among The Young/Jennie Smith Columbia CS-8028
Jennie/Jennie Smith BMGビクター BVJJ-2845 原盤 RCA-Victor LPM-1523購入価格:2800円、1800円/レコファン渋谷店
動機:ずっと前に買った盤の紹介になる。Columbia盤はジャズ批評のカラー口絵で見 たときから、欲しかったものの一つ。
ビクター盤は再発シリーズで出た1枚。しかし、他の歌手に比べてあまり評判になら なかったもの。私もColumbia盤の Jennie と同一人物と気づいてはじめて手にしたくら い。ジャケットがボケた感じがする分、せっかくの美貌が印象に残らないけれど。
聞いた感じ:Columbia盤のよさはジャケットばかりではない。最初に聞いた爽やかな 色気を感じさせる声に期待以上のおどろき。A面最後の Take Me In Your Arms がとて もいい出来。
Victor盤の内容はColumbia盤よりもさらにいいかもしれない。I'm A Fool To Want You,All My Life、When I Fall In Love など、しっとりと唄い上げる力量はとても10 代とは思えない。
両方とも18歳の若々しくもなまめかしい声にうっとりできる好アルバムである。