中古レコードはぶっきらぼう（その21）
誰にも経験があるだろうが、突然ある歌手が好きになって、夢中でレコードを探し始 めて、矢継ぎ早にどど〜っと集めてしまう場合がある。Joanie Sommers という歌手も そんな一人だ。
この歌手が好きになったきっかけは１枚のＣＤ。’６２〜’６３年に西海岸のジャズ マンと録音したもので、スウィンギーな Look Out! や Cherokee もいいが、しっとり とした You Better Go Now、I'll Close My Eyes などが素晴らしい。
それで、彼女のレコードを半年ばかり探した。しかしなかなか見つからなくて、最初 の盤、 Positively Most に出会ったのはかなり経ってからだった。オリジナル盤は高 いので、もちろん日本盤である。でも出会いを感じる１枚だった。
というのも、これは、女性の店員が買取後の値付けを電話で確認しているのをそばで 聞きつけて身震いし、じっとその盤が新着盤の箱に収まるのを待ち続け、やっと手に 入れたお宝なのである。その間、約３０分。上の空で他のレコードを探す振りをして いた私は、実に小心者で見栄っぱりな変人である。それ売って下さい、と堂々と言え ばいいものを。
アルバム名：恋のレッスン／ワン・ボーイ／すてきなメモリー／内気なジョニー Joanie Sommers BP-4043 東芝音楽工業(原盤：Warner Bros.EP-65)
購入価格：１８００円 店：渋谷 レコファン
動機：思うようなレコードが見つからず、ふと帰りかけた傍らにＥＰレコードの箱が あった。Jazz Vocal が見つかるとは思わなかったけれど、ひょっとしたら Popular 系統の歌物があると思った。ついこの間、別の店で4000円の値がついていたのを見て あきれていたこの盤を見つけた。半値以下とはもうけもの！と思ったのだ。
聞いた感じ：Jazzっぽい Joanie から入った私には、こんな Pops はとても続けて聞 く気にならないな。Johnny Get Angry も One Boy もヒットしただけに、気になる曲 ではあるけれど、やはり流行り廃りのいい例で、情緒がない。それにＥＰでは、あっ という間に片面が終わってせわしいこと限りなし。ＬＰ換算で５０００円以上の盤に なるのだけど、ちょいと損したかな．．．。
