中古レコードはぶっきらぼう（その15）
レコードの背表紙が薄くても絶対に見間違わないレーベルが Impulse だ。そう、 オレンジと黒で統一されたジャケットは Modern Jazz とりわけ Jhon Coltrane に なじみが深いので知名度は高い。
この色の組合わせは遠くからでも目立つうえに、ジャケットが見開き式で普通のジ ャケットの２倍の厚さゆえ、ジャズ喫茶や中古レコード店の棚のどの辺に Coltrane 盤が置いてあるかが一目瞭然だった。かつては探し歩いていたのだけど、私はもう Coltrane は買わなくてもいい。
でも、聴くことはある。Johnny Hartman との共演盤や Ballads などは愛聴盤だし、 Duke Ellington とのデュエットも渋くていい。ただ、Impulse には Vocal が少な いのが残念なところだ。私が持っているレコードで Vocal 物は Lorez Alexandria と Johnny Hartmann がそれぞれ２枚だけだった。
そこにもう１枚、仲間が増えたので、今回はこのレコードを紹介しよう。
アルバム名：After The Lights Go Down Low/Freda Payne 東芝EMI IMP-88159（原盤：Impulse AS-53）
購入価格：２７５０円 店：渋谷 レコファン
動機：別に Impulse だから購入したのではない。どんな歌手か分からなかったので 最初に手にしたときには買わずに、ジャズ批評という雑誌を参考にしたのである。する と伴奏者に Zoot Sims の名があった。それだけで買う価値があると思ったのだ。Zoot のテナーは下手な歌手よりもずっと歌うのだ。
聞いた感じ：どうも違う。私が聴きたいのはこんな歌ではない。アレンジがうるさす ぎなのか、バックに声が負けているのか。いやいや、どうもこれは好きになれない。と、 新しい曲ばかりで揃えたＡ面だけを聴いてうんざりしたところだ。しかし、Ｂ面には、 I Cried For You、'round Midnight、Out Of This World、Lonely Woman、I Wish I Knew など、しっとりとしたスタンダードが並んでいる。これに期待しよう。しかし、こっち の面には Zoot が入っていない。Phil Woods のアルトに期待するしかないかな。
