感涙保証、私の愛聴盤 その７

Julie Is Her Name/Julie London

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　ジュリー・ロンドンという名は実は中学生の頃から知っていた。中学１年のときに仲良しだった同級生がこの歌手に惚れていたらしく、嬉しそうに彼女のよさを話していたのを思い出す。同じ頃、このジュリーが日本公演を行うというので、テレビではそのＣＭが流れていた。バックに流れる曲はたしか、ムーンリバーだったと思う。私にはそのよさがわからず、もうかなりのおばさん歌手という感じしかしなかったのだが・・・。

　その彼とも些細なことから喧嘩別れをして以後言葉を交わすこともなくなった。もし、心穏やかに再会するチャンスがあれば、今ならきっとジュリー・ロンドンの話題でおいしい酒を呑めるかもしれないと考えている。しかし彼がジュリーのことを覚えているかどうかは分からない。

　このアルバムはジュリーの実質的な初アルバムである。なんといっても彼女を、そしてこのアルバムを有名にしたのは、ムーン・リバーではなく Cry Me A River という曲である。詞は訳しにくいが、要するに、ふられた女の恨み節らしいということだけは分かる。このジャケットの冷たい表情、きつい悲しい顔は一目で私を惹きつけた。たしか出張した折に大阪で買った数枚のなかの１枚である。

　彼との再会はとうとう果たせずじまいのうちに、昨年、風の噂で彼の死を知った。享年４８か４９。現代ではあまりに早過ぎる死のようだが、人生５０年という選択もあって不思議ではないのだ。

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