感涙保証、私の愛聴盤 その６７

Bash!/The Dave Bailey Sextet

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　これは Drummer である Dave Bailey のリーダーアルバムであるが、ドラムの演奏で唸らされるアルバムではない。端的に言えばひとり一人の個性がうまく組み合わさったアンサンブル効果であろうか。ただし調和だけを重んじたそんじょそこらのアンサンブルではない。

　Ａ面１曲目に凝縮されているのでそのソロの順番に紹介するが、まず Frank Haynes というテナーサックスに感動してしまう。曲目は Sonny Rollins のオリジナル、Grand Street なのだが、Rollins よりも太いトーンがこのアーシーな曲調にピッタリである。無名だが恐るべし、Frank Haynes・・・。

　Curtis Fuller のトロンボーンをはさんで登場するのは Tommy Flanagan 。ジャズの名盤として紹介されるアルバムにはなんと数多く彼が登場しているであろうか。ホーン奏者のアシスト的役割を超えた珍しく上気した熱いソロはトミフラらしくはないけれども、共演者に触発されて冷静さを失うこともある人間味を垣間見て嬉しくもなるのである。

　そして Kenny Dorham 。この愛聴盤シリーズでも何度か紹介した哀愁のトランペッターである。Tommy Flanagan の熱いソロのあとに、ほのかにくちなしの花の香りを届けてくれる風のような演奏が爽やかである。

　Bash！ というタイトルどおり、針を落として緊張して音を待っていないと、頭からがんと一撃されること必定の１枚だ。

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