感涙保証、私の愛聴盤 その５１
Bouquet Of Blues/Dinah Shore
私は女性に対して次のような偏見を持っている。
女性には二通りある。ひとつはなまめかしく男性を誘惑し、ときには攻撃的に迫ってくるタイプ。もうひとつは、欲とは無縁の高い純潔性を感じるタイプ。それぞれの代表的名前をあげれば、前者にはマリリン・モンローとかジュリー・ロンドンというようなところ。後者なら、イングリッド・バーグマンとかビバリー・ケニーというところだろうか。おっと、ビバリー・ケニーの名を知らないというのはここでは通らない。なにを隠そう、私の JAZZ 部屋の看板娘なのだからね。
ダイナ・ショアは紛れもなく私の中では後者の分類である。気品のある顔と声はヤンキー娘とは思えないヨーロッパのお姫様の雰囲気、という表現も、今日的にはややセクハラまがいの差別発言ということになろうか。でもしかし、ダイナは私にとって特別な女性である。大人の女性としてこれだけ知的で美しいと感じた人はあまり他にはいない。
だからといって音楽的にダイナのアルバムがこの上なく好きだとも言えないのである。ジャケットのすばらしさで沢山彼女のアルバムを集めたのはいいが、あまり聞かないのも本当のことだ。歌は下手ではないのだが、多くのアルバムはあまり印象に残らない。びび〜んと琴線にさわるものがないのだろう。
しかし、ここに紹介する１枚は例外。ジャケットは外れなのだが、ブルースの曲ばかり集めたアルバムの出来は音楽的に最高。ハイヒールのコツコツとした響きがこの素晴らしいアルバムの中にあなたを引きこんでくれることだろう。
