感涙保証、私の愛聴盤 その１３

After Hours/The Prestige All Stars

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　Mal Waldron を追っかけて出会った最後の１枚の紹介である。

　After Hours というのは、本番の収録やステージでの仕事が終わった後、Player たちが好き勝手に演奏を楽しむ時間帯のことを言う。仕事としての演奏が終わり、ウィスキー片手に気の合う仲間と演奏を楽しむアットホーム的なひととき。Prestige にはそんなアルバムが多い。誰が主役というわけではなく、ジャケットにクレジットされているメンバーも文字の大きさがすべて一緒で同格の扱いである。

　そんなくつろいだ気分で演奏された録音だから、気の抜けたビールのような出来だと思ったらとんでもない。常にテンションをかけたアドリブでのスリリングな気分は味わえないが、水が自然に流れていくように肩の凝らない大人のムードを紡ぎ上げていて楽しい。

　その夜のムードを演出するのにギターの音色は欠かせない。Kenny Burrell がホーン奏者のソロのバックで刻むリズムの正確さと、ソロパートで披露される深く心にしみていく音の連なり。Frank Wess と Thad Jones という名手をそろえて、味わい深い１枚である。

　呑兵衛どもに注意したいのはけっして昼から聴かないこと。煩わしい仕事などほっぽり出して、グラスと氷を用意することになるのは必定だから・・・。

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