中古レコードはぶっきらぼう（その24）
中古レコード屋にＢＧＭはつきものだ。これが店の好感度を大きく左右する。いや、 売り上げさえこの選曲に寄るといっても言い過ぎではない。少なくとも私は、店の中 で鳴っている曲のセンスの良さと店に居座る時間の長さは比例している。
Ｊａｚｚのレコードを探しているのだから、Ｊａｚｚが鳴っている店がほとんどだ と思うだろうが、Ｊａｚｚ専門の店より全ジャンルを取り扱っている店が多いのは当 然だから、ときどきは嫌いな音楽も耳にしなければならない。
私の嫌いな音楽を紹介してもしょうがないし、価値観の違うご仁からあらぬ非難を 浴びぬようにしたいと思うから、その嫌いな音楽のジャンルは明らかにしないまま話 をすすめることにしたい。
と、思ったけれど、感情を押し隠しては話に真実味がない。好き嫌いをはっきり言 うのがこの連載の特徴だし、偏見と言われようと、ここはＪａｚｚ部屋だから身に及 ぶ危険は少ないだろう。
ええい、言ってしまえ〜。ロックなんてうるさいばかりで大嫌いだぁ〜。
あろうことか、神保町にあるＪａｚｚレコードの老舗では、一時期、１階で流れて いたＢＧＭはすべてロック調の騒音だった。嫌気がさして、２階にばかり行っていた けれど、どうも、２階は敷居が高いし、値段も高い。
そのうち、店員が代って正常な音楽がかかりだして、下を中心に探すようになった。 アルバイト？の店員の趣味で店の雰囲気を変えるようなことをしては商売もままなら ぬ、と思うよ、ご主人。
アルバム名： Sommers' Seasons/Joanie Sommers Warner Bros. 1504
Johnny Get Angry/Joanie Sommers Warner Bros. 1470
購入価格：２枚で１０ｋ円 店：渋谷 ディスク・ユニオン
動機：Joanie Sommers のことは何度も書いたので分かるように My Favorite Singers の一人。そのオリジナル盤が思わぬところで並んで見つかった。いつか梅ケ丘のレコー ド店にずらっと揃っていたのを見つけたけれど、そのとき買わなかったのは、高かった から。今回、買おうと思ったのは、３分の２くらいの値段であった故。それでも私にと っては珍しく高価な買物なのである。
聞いた感じ：というより、見た感じを書こう。今のいままで、Joanie Sommers って 白人だと思っていた。お気に入りの Positively The Most のジャケットでも気づかな かったし、どの本にも言及されていないことだったから、驚いたというのが正直 なところ。しかし、まだ自信がない。褐色の肌が単なる日焼けのしすぎであったら、皮 膚がんに気をつけてね、といってお茶を濁そう。あ、歌は文句なしにすばらしい！
