感涙保証、私の愛聴盤 その５

2 3 4/Shelly Manne

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　佐賀には７年ちょっと住んでいた｡そこで初めて一人暮しを始め、人並みに恋をし、一生一度（？）の失恋も経験し、少し大人になって、結婚して子供が生まれた。

　人口１０万人ちょっとというちっぽけな街だが私にとっては第二のふるさとである。そんな佐賀に二軒のジャズ喫茶があった。ひとつは老舗の「ロンド」で、ここは場所を替えていまだ健在である。もうひとつは「Ｓｗｉｎｇ」といった。

　私は敷居が高い「ロンド」よりも「Ｓｗｉｎｇ」が好きだった。小ぢんまりとしてアットホーム的なのがよかった。髪の毛が薄くなりかけたマスターのぽつぽつとしたしゃべりも好きだった。しかし店は１５年以上も前に閉じてしまったという。

　その「Ｓｗｉｎｇ」のマスターの背後にいつもこのジャケットが飾ってあったのだ。大胆な構図を一目で好きになった私は、矢も盾もたまらず、翌日あるいはその日の帰りに高柳楽器店で買ったような記憶がある。

　演奏ももちろんすばらしいが、「Ｓｗｉｎｇ」を思い出させる１枚として記憶に鮮明である。

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