日本ビクター　Ｒ−６１４Ａ

長野の方からの頂き物である。ついこの前、倉庫整理の最後のお宝を数台頂戴したばかりだったが、なんということか、もう１台共箱付きのラジオが出てきたという。ご本人も記憶に無いものだったと言うから驚きである。 　もちろんありがたく頂戴したわけである。箱から出てきた中身は日本ビクター製の木製キャビネット、mt管５球スーパーである。昭和32年頃の製造と思われるが、外観の程度はすごくいい。

裏蓋もツマミも揃っているし、天板などにもほとんどキズは無い。思った以上に状態がよさそうである。

クリックで拡大 　背面の黒いソケットは外部リモート用のものらしい。その隣の端子は外部スピーカーが接続できるようになっている。外部入力はビクターだけにＲＣＡジャックとなっている。

クリックで拡大 　標準の５球スーパーで、マジックアイ付というもの。回路図が見つからないのだが、「真空管ラジオのデータベース」から似たような構成の図面が見つかった。出力管の部分のみ６ＡＲ５に置き換えれば利用できそうだ。

クリックで拡大 　シャーシ内部をざっと点検する。ペーパーコンデンサは干からびたように見えるが意外に絶縁性能は高いというのがビクター製ラジオの過去の修理記を見たときの感想。出力トランスの断線はなさそうなので、とりあえずこのまま電源を入れてみようかと考えている。 　ずんなり音は出た。しかしノイズがひどい。そこで真空管の脚を磨き、ボリウムのガリを減らすべくノブを回す。すると次第にノイズが無くなりクリヤな受信状態になったではないか。このまま数日慣らし運転をしたのだが、特段の問題は無かったのはさらなる驚き。ＡＣラインにはペーパーコンデンサも入っていないので、交換すべき部品も今のところはない。 　マジックアイはほとんど光らないのだが、まったくのオリジナルの状態で保管したほうが価値は高いだろう。このまま共箱に入れて貴重品として保管することにした。